映画「40歳問題」を観て来たよ

去る2009年元旦に、映画「40歳問題」を観て来ました。この映画、「40歳問題」となっていますが、40歳前後(これってアラフォーのことかーい)のミュージシャン3人にいきなり曲を作って下さいというドキュメンタリーなんですが、私の感想は、クリエイティブに対する考え方とかこだわりとかそういうことなんだと思うんです。
彼らは曲を仕上げる方法というのはたくさん持っている。しかし、自分の意思とは全く反して他人と共作しなければならない状況になって、それなら自分の想像を超える着地点を目指したいというなんじゃないかと思う。予定調和でなく、見たことのない風景を目指す。それは、必ずしも完成させることとか、いい作品を作るとかそういうことじゃないようです。
それは理解できる。だから映画としても着地しているとは言い難いため、ドキュメンタリーということになっている。ドキュメンタリーにオチをつける必要なんてないと言わんばかりだ。オチはいなくてもいいが、興味深いものでなければならない。何故って映画になっているから。観て、なんでもいいから興味深いと思えるものでないとね。
この映画を観ていて、漠然と思っていたことに保坂和志の「小説、世界の奏でる音楽」という本の中で小説を書くということがどういうことなのかについて延々と書かれている。読者にとってわかりやすい作品が「良い」と思われがちで、説明したり語ったりすることができるものがいいとされる価値観が今は多いけれど、そんな言葉で単純に表現できてしまうことはあまり面白くないってことを思い出した。音楽や彫刻など言葉では表現できないことを表現したその面白さを人は求めているのではないだろうか?それが芸術というものであって、心が動かされるってことなのかもしれないなぁということを思ったドキュメンタリー映画でしたヨ。