BSマンガ夜話 「ハチミツとクローバー」@080619


昨日のマンガ夜話は盛り上がっていましたねぇ。「ハチクロ」はアニメにも、実写の映画&ドラマにも、なっているほど。実写は観ていません。実写だと、竹本君の青春探しが物語のメインで、そこだけ切り取られれてしまうと、なんか感情移入が難しいなあ。
そういえば、私も八王子の山の上にある美大に凄い昔通っていた。(ハチクロは小平の美大がモデルになっていると思われる)美大の頃を考えると、やっぱ楽しかったなあと思う。まあ、私はサークルが楽しかったのだが、あれも一種のサークルみたいなもんだと思う。違う学科の人と知り合いになるにはサークルはよいきっかけだった。私がいたのはオケで、しかも他の美大と連合したオケだったので、他の美大の人とも知り合いになれたのがよかった。
去年、学生自体同じサークルだった友達が銀座で個展をするので、いつもつるんでいる同じサークルの友達が見に行くというので私も行く行くと着いていった。私は、いろいろあったので、サークルの友達はその一人以外にはずっと不義理をしてきたので、個展を開く友達に会うのは卒業以来なのである。私たちがこの日のこの時間に行くよといったので、他の友達もじゃあその時間に行くからということで卒業以来十数年ぶりに合うことになった。
すごい!随分ご無沙汰していたけれど、みんな思っているよりも変わっていなかった。というか、変わんないよね〜。見た目とか、そういうことじゃなくてみんな、その当時からその人であったんだなと思った。で、そのメンバーで飲んでいたらみんな「のだめ」と「ハチクロ」は読んでいるということがわかって、なんか別々に過ごしてきたけれど、気持ちを共有できる人たちだなと思ってしまった。
多分、「ハチクロ」の読み方はみんなの立ち位置によって違うんだと思う。ずっと画を描き続けている彼女は、はぐちゃんや森田さんの創作する人の立場をなぞっているのかもしれない。デザインに進んで、大企業に就職して、その後転職した友達はもしかしたら設計事務所に勤めた真山、社会人になりたての頃の自分を重ね合わせているかもしれない。
私はというと、美大なのに創作ではない学科だったので、クリエイティブに対してアンチパシーをどこかで持ち続けていたことを突きつけられた思いになり、天才を真近で見ていた花本先生の言葉にグッときた。
ハチクロ」には、天才とそうでない人のことが描かれている。本当の天才というのは、そんなにいるものではないので、実は天才であっても天才であることを自分も無自覚で、また回りの人がそれに気がつけるかどうかも確立としては低いんじゃないだろうかと思う。ファインアートと言われるものに対する社会的理解の定型などないからだ。
アートのことは置いといて、美大を出て社会に出て十数年。みんながいろいろな体験をしたり、観たり、考えたりしてきた分だけ私たちはあの頃よりも世界に対してアレルギーは少なくなってきているんじゃないかと思う。考えたり、挫折したりしながら前に進んでいる。でも、何かを乗り越える度にいままでとは違った景色に出会えたから、きっと「ハチクロ」もそういうことを見せているんじゃないかな?と思う。
最後に、私が一番グッときたシーンは、山田が花本先生に、ひとりって寂しくないですか?と言ったことを質問した時の花本先生の回答。寂しさが波のように押し寄せてきて、それでも耐えるしかないって答えるところ。詳しくは実際読んでみて下さい。

ハチミツとクローバー 10巻セット (クイーンズコミックス)

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